フルクトース代謝

フルクトース代謝について何冊かの生理学・生化学の本(ガイトン生理学・ハーパー生化学・ストライヤー生化学)を読んでみましたが、ほとんど取り上げられていないか、わずかに触れている程度でした。

一番詳しく、わかりやすかったのが、
【イラストレイテッド生化学 原書5版 (リッピンコットシリーズ)】
https://www.yodobashi.com/product/100000009000985482/
でした。
抜粋を投稿します。p173から

フルクトース代謝

西欧風の食事に含まれるカロリーのおよそ10%はフルクトースによって供給される(約50g/日)。
フルクトースの主要な源はスクロースsucroseという二糖である。
スクロースは腸管で分解され等量のフルクトースとグルコースになる(p.107参照)。
フルクトースはまた、多くの果物、ハチミツ、高フルクトースコーンシロップ(典型的には55%フルクトース/45%グルコース、ソフトドリンクや多くの食品の甘味料として使用されている)などに単糖の形で存在している。
フルクトースの細胞内への輸送はインスリン依存性ではなく(グルコースのある種の組織への輸送はインスリン依存性である、p.120参照)グルコースとは異なり、フルクトースはインスリン分泌を促進しない。

A.フルクトースのリン酸化
フルクトースが中間代謝の経路に入るためにはまずリン酸化させなければならない(図12.2)。
このリン酸化はヘキソキナーゼかフルクトキナーゼfuructokinase(ケトへキナーゼ)によって行われる。
ヘキソキナーゼは体のほとんどの細胞でグルコースをリン酸化するが(p.121参照)、数種の他のヘキソースも基質となりうる。
しかしフルクトースに対しては親和性が低い(㎞値が高い。p.72参照)。
であるからフルクトースの細胞内濃度が異常に高くならない限り、飽和濃度のグルコースが存在する通常の条件では、ヘキソキナーゼによるフルクトースのフルクトース6-リン酸への変換はほとんど起こらない(訳注:それでもヘキソキナーゼはフルクトースをリン酸化しうるが、肝臓に存在するグルコキナーゼはフルクトースをほとんどリン酸化しない)。
フルクトキナーゼによるリン酸化がフルクトースのリン酸化の主要な経路である(図12.2参照)。
フルクトキナーゼは肝臓 liver(食事中のフルクトースはほとんどここで処理される)、腎臓kidney、小腸管粘膜small intestinal mucusaに存在し、ATPをリン酸供与体としてフルクトースをフルクトース1-リン酸fructose 1-phosphateに変換する。【注:これらの3つの組織は以下に述べるようにアルドラーゼBも持っている。】

B. フルクトース1-リン酸の分解
フルクトース1-リン酸はフルクトース6-リン酸とは異なり(p.123参照)、フルクトース1,6-ビスリン変換されず、アルドラーゼB aldolase B(フルクトース-1-リン酸アルドラーゼ)によって開裂されて、ジヒドロシアセントンリン酸 dihydroxyacetone phosphate(DHAP)とグリセルアルデヒドglyceraldehydeになる。
【注:人はアルドラーゼA,B,Cを発現している。これらは3つの異なる遺伝子の産物である。アルドラーゼA(ほとんどの組織に存在)もアルドラーゼB(肝臓に存在)アルドラーゼC(脳に存在)も解糖系で生じたフルクトース1,6-ビスリン酸を開裂してDHAPとグリセルアルデヒド3-リン酸にするが(p.125参照)、アルドラーゼBだけがフルクトース1-リン酸を開裂することができる。】
DHAPは直接解糖系か糖新生経路に入るが、グリセルアルデヒドは図12.3に示したように多くの経路で代謝可能である。

C. フルクトースの反応速度論
フルクトース代謝の速度はグルコース代謝の速度よりもずっと早い。
フルクトース1-リン酸から生じたトリオ―スは解糖系の主要な律速段階酵素であるホスホフルクトキナーゼ-1を迂回するからである(図p.12.3参照)。
【注:例えば静注によって肝臓に多量のフルクトースを負荷すると脂肪酸合成速度が上昇する。
アセチルCoA産生が促進されるからである。】

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