カロリー恒常性と肥満について

レプチンを検索キーワードとしてアクセスする方が急に増えました。
レプチン抵抗性からメタボリックシンドローム。
参考にしていただけたら幸いです。

ストライヤーの生化学からカロリー恒常性と肥満について、抜粋して投稿します

最後に「肥満と戦うために、食事療法がおこなわれる」で低糖質高タンパク質食についての記述がありました。
全1101ページの中のたった12行ですがやっと糖質制限に関する記述を発見しました。
版を重ねるごとに、もっと増やしていってもらいたいものです。

【ストライヤーの生化学第7版 東京化学同人 742p・743p・744p

●レプチンとインスリンはカロリー恒常性の長期的な制御を行う

数時間から数日という尺度でエネルギーの恒常性を調節する重要なシグナル分子が二つある。
脂肪細胞から分泌されるレプチン(leptin)と、膵臓β細胞から分泌されるインスリン(insulin)である。
レプチンはトリアシルグリセロールの貯蔵状況を知らせ、インスリンは血中のグルコース量、すなわち糖質の供給状況を示す。
中略

●レプチンは脂肪細胞が分泌する数種類のホルモンの一つである。

●レプチン抵抗性は肥満の要因になる可能性がある

レプチンが体の脂肪量に比例して産生され、食べるのを抑制するのだとすれば、なぜヒトは肥満になるのだろう。
肥満したヒトでもほとんどの場合は、正しく機能するレプチンをもち、その血中濃度も高い。
レプチンの食欲抑制効果に対応できないことを、レプチン抵抗性(leptin resistance)という。
レプチン抵抗性の原因はなんだろう。
中略
よくわかっていないが、最近得られた証拠が示すようにサイトカインシグナル抑制因子(suppressor of cytokin signaring)(SOCS)と呼ばれる一群のタンパク質がかかわっているらしい。
中略
SOCSがレプチンの抵抗性にかかわっている事を裏付ける証拠は、POMC発現ニューロンから、SOCSを選択的に欠損させたマウスの研究で得られた。
中略

◎肥満と戦うために、食事療法がおこなわれる。

現在我々は肥満の蔓延とそれに関連した病気に直面しており、どのような食事療法で最も体重を減らせるかが関心の的になっている。

一般に、カロリー摂取を調節しようとして行われる食事療法は大きく分けて二つある。

低糖質食と低脂肪食である。

低糖質食では普通、タンパク質の摂取を奨励する。

食事療法の効果の研究は非常に手間がかかるが、低糖質高タンパク質食が体重減少にもっとも効果的であることを示す証拠が増えている。

詳しい理由は不明だが、二つの説が広く言われている。

第一に、タンパク質は脂肪や糖質よりも満腹感を得やすいらしい。

第二に、タンパク質は脂肪や糖質に比べて消化するのに多くのエネルギーが必要で、エネルギー消費の増加が体重減少につながるという。

たとえば最近の研究で、タンパク質30%の食事は、タンパク質10%の食事よりも消化に必要なエネルギーが約30%多いことが明らかとなった。

タンパク質の多い食事がエネルギー消費を促進するしくみ、満足感を亢進するしくみは、まだわかっていない。

食事の量を減らして、運動量を増やせば、すべてに当てはまる。]

最後の食事誘発性熱産生DITまたは特異動的作用SDAについては
江部康二著「糖質制限パーフェクトガイド88p」が解り易く参考になりました。
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-category-106.html

厚生労働省のサイト e-ヘルスネット
http://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-030.html

 

糖質制限と脂質代謝


食物中の脂質(中性脂肪)が代謝される仕組み

脂質(食物中の脂質はほとんど中性脂肪)が摂取されると中性脂肪は小腸でグリセロールと脂肪酸に分解されます。

小腸上皮から吸収されると中性脂肪に再合成されキロミクロンと呼ばれる集合体を形成します。

キロミクロンはリンパ液に瞬時に入りリンパ管に拡散します。

キロミクロンは胸管を上向して、鎖骨下静脈内に移行します。

鎖骨下静脈に入ったキロミクロンは、ほとんど肝臓、または脂肪細胞組織や筋肉組織の毛細血管を通る間に、毛細血管壁にあるリポタンパクリパーゼによって中性脂肪から脂肪酸とグリセロールに分解されます。

中性脂肪(TG)は、一つのグリセロールと三分子の脂肪酸が結合して構成されています。(トリアシルグリセロール)

○分解された分だけ、血中から中性脂肪が取り除かれます。
○中性脂肪の分解によって生じた遊離脂肪酸は筋肉細胞でエネルギー源として利用されます。
○遊離脂肪酸は肝臓や筋肉組織においてβ酸化されてアセチルCoAとなり、エネルギー源となります。

●血中に残った脂肪酸は、肝臓と脂肪組織の中に拡散し、再び中性脂肪に合成されて脂肪細胞内に貯えられます。
●グリセロールは、肝臓において中性脂肪に合成されたり糖新生に利用されたりします。
●肝臓で合成された中性脂肪はVLDL(超低比重リポタンパク)となって血液中に放出されて、全身へと運ばれていきます。

(キロミクロンとVLDLは脂質をタンパク質で包んだ構造をしており「リポタンパク」と呼ばれています。脂質は疎水性で水に溶けないため、親水基を持つタンパク質で覆われることにより血液中に溶け込めるのです。)

食事でとった脂肪がそのまま中性脂肪として血中に残り続けるのではなく、蓄えられるのはエネルギーとして利用されなかった余剰分だけです。

血中の中性脂肪を増やしてしまう原因は

糖質を摂取してインスリンが追加分泌されると。

筋肉組織の毛細血管でリポタンパクリパーゼの働きが抑制され、キロミクロンやVLDLの中性脂肪は脂肪酸に分解されなくなります。

脂肪酸に分解されないとケトン体も得られないので、筋肉細胞は脂肪酸-ケトン体システムを使えなくなり、中性脂肪を使えなくなります。

よって中性脂肪は余剰となり、脂肪細胞に蓄積されやすくなります。
脂質をエネルギー源として利用するには中性脂肪を分解して遊離脂肪酸とグリセロールにする必要がありますが、インスリンはそれを抑制してしまうわけです。

 

参考にさせていただいたサイト及び著書
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E6%80%A7%E8%84%82%E8%82%AA
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%AD%E3%83%9F%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%B3
糖質制限食パーフェクトガイドブック 江部康二著

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